なぜ60代で退職金の資産運用は失敗してしまうのか?

資産形成

退職金は狙われている!?

なぜ多くの人が退職金の運用で失敗してしまうのでしょうか。それにはちゃんとした理由があります。

ちょうど退職金を受け取ったときに、ごく自然に「資産運用」を考えてしまうはずです。なんか不思議ですよね、ちょうどそのタイミングで銀行から営業の連絡があったりと。

退職金を受け取ったことを知っているのは、もちろん本人、その奥さん、退職金を支払った会社ですよね。

でも、まだ他にいます。

そうです、退職金が入金された口座のある銀行です。

銀行は、1000万円以上の金額が口座に入金されると営業の連絡をしてきます。実際に、私も何度か経験がありますが、営業ノルマがあるんだなと思いました。

なので、退職金を受け取って、自発的に資産運用をしようと思うよりも、銀行などの金融機関側から提案されて、資産運用を考えることが多いと思います。

そして、その金融機関側からの資産運用の提案がまさに「退職金の運用失敗」への入口になってしまいます。

退職金の運用が失敗してしまう原因

無料相談に行ってしまう

退職金の運用に限ることではないですが、保険相談や住宅相談などの多くの場面で「無料相談」に行ってしまうことがほとんどかと思います。

でも、この無料相談の意味を今一度、よく考えてみる必要があると思います。

あなたの立場になって「無料」で、専門的なアドバイスをしてくれる医師や弁護士はいないですよね。無料相談の多くは、「営業の入口」と理解しておく必要があります。

そのうえで、分からないのでお任せではなく、自身で合理的な判断を行うことが求められます。

銀行や保険会社に相談してしまう

無料相談の流れになってしまいますが、銀行も保険会社も金融商品の「売り手側」です。

その「売り手側」に相談してしまうということは、何を意味するのか考える必要があります。

銀行や保険会社は、必ず「おすすめ」の金融商品を案内してくれます。でも、その「おすすめの金融商品」は多くの場合、失敗してしまいます。

なぜでしょうか。

金融商品の「販売手数料が高い」からです。
銀行や保険会社がオススメするのは、その金融商品が「優れている」からという理由ではなく、その金融商品を「売った方が儲かる」からです。

当然と言えば、当然ですよね、無料相談して手数料の低い金融商品を売っていたら仕事になりませんからね。金融職は、とりわけ年収が高いというのも説明がつかないですし。

金融機関は「顧客本位」ではない

出所:日本経済新聞https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32607510U8A700C1EE9000/

2018年の記事になりますが、銀行が販売した「投資信託を保有する個人投資家の半数近くが損失を抱えている」ということです。

買ってはいけない金融商品を買ってしまう

退職金特別プラン

スーパー定期、年利5~7%という高い金利に目を奪われてしまうかもしれませんが、預入期間は「3か月」であることが多いので、実質の金利は1.25~1.75%程度。

退職金特別プランは、定期預金だけでなく、販売手数料や信託報酬が高い投資信託とのセット購入になっているのが一般的です。

そのため、定期預金にちょっと高い金利が付いたとしても、金融機関に支払う手数料で利息は飛んでしまうどころか、ファンドラップの支払報酬だけでも年1%とすると、3000万円を預けた場合は年間30万円も支払っていくことになります。

10年で300万円、20年で600万円、・・・もし、運用益が出ていなくて損失もゼロだったとしても、70歳で資産は2700万円、80歳で2400万円になってしまいますね。

退職金の資産運用を失敗しないための方法

マネープランを作成して「見える化」する

退職後のライフプランをしっかりと立てて、人生100年までのマネープランを作成することが大切です。

これにより、退職金の使いみちや資産運用に回す金額の配分が「見える化」されます。

さらに、マネープランを作成することにより、どこまでのリスクを取ることができるのかが分かりますので、結果としてどのような金融商品を選ぶべきかはっきりしてきます。

学び直しでマネーリテラシーを高める

人生で今一度、マネーリテラシーを高めるために、学び直しが必要です。

例えば、「賢いお金の増やし方」を知って、守りながら増やす方法で退職金の資産運用を行っていくのが好ましいです。