お金が返せなくなってしまったら
もし、借金の返済が苦しくなってしまったら、「もう無理」という状況になってしまう前に専門家に相談することが大切です。
かつて弁護士事務所で自己破産や任意整理などを受任していた経験がありますが、多くの場合、相談に来られるタイミングがかなり遅いと感じます。
最後まで自分一人で何とかしようという気持ちがそうさせてしまうのだと思いますが、相談を受ける側としては「もっと早く来てほしかった」というのがあります。
タイミングとしてはまだちょっと早いかなくらいがちょうど良かったりしますので、ちょっと返済が厳しくなってきたなと思ったら躊躇せずに専門家に相談してくださいね。
相談の時期が早ければ早いほど、選択肢が多くなります。債務整理には、「任意整理」、「民事再生」、「自己破産」などがあります。1日でも早く新たなスタートを切るためには自分だけで抱え込んで悩まずに専門家に相談することが大事です。
任意整理
債務を整理する方法として、「任意整理」というものがあります。
任意整理は、利息制限法で引き直し計算を行って、金利を利息制限法の上限に引き下げます。具体的には、将来の利息をカットして元本のみを数年で分割返済することになります。
- 未払金利、遅延損害金を支払う必要がなくなる
- 自己破産のように財産を処分する必要がない
- 裁判所での法的手続が不要
- 元本はちゃんと返済しなければならない
- 数年間での分割返済となるため、債務額を大きい場合は難しい
- 個人信用情報(いわゆるブラックリスト)に履歴が残るため、新規でのローンは難しくなってしまう
民事再生
債務を整理する方法として、「民事再生」というものがあります。
民事再生は、住宅等の財産を保有したまま、大幅に減額された債務(借金)を原則3年で返済していく方法です。
- 借金総額が100万円未満の場合、最低弁済額は借金総額そのもの
- 借金総額が100万円以上500万円以下の場合、最低弁済額は100万円
- 借金総額が500万円を超え1500万円以下の場合、最低弁済額は借金総額の5分の1
- 借金総額が1500万円を超え3000万円以下の場合、最低弁済額は300万円
- 借金総額が3000万円を超え5000万円以下の場合、最低弁済額は借金総額の10分の1
例えば、合計で2000万円の債務(借金)がある場合、300万円を弁済すればよいことになります。
- 住宅等の財産を処分する必要がなく、債務(借金)の整理ができる
- 債務(借金)がすべてなくなるわけではなく、最低弁済額は返済する必要がある
- 住宅ローンは減額の対象とならない
- 個人信用情報(いわゆるブラックリスト)に履歴が残るため、新規でのローンは難しくなってしまう
自己破産
債務を整理する方法として、「自己破産」というものがありますが、これは誰もが知る最終手段といったとこですね。
自己破産は、これ以上債務(借金)を返済できないことを裁判所に認めてもらって、法的に債務(借金)の返済を免除してもらう方法です。
自己破産は、究極の手段と思われていることが多いですが、実際そうでもないです(笑)とりわけ自己破産を推奨するわけではないですが、自己破産2回目という人も中にはいますから。
何を言いたいかというと、あまりお金のことで思い込み過ぎず、悩み過ぎずに、早期に相談してくださいということをお伝えしたいです。
- 債務(借金)の返済がなくなる
- 自己破産の開始決定後における収入や財産は自由に処分できる
- 新たな人生のスタートができる
- 20万円(現金は99万円)を超える財産は処分されてしまう
- 特定の職業(弁護士など)が制限される
最後に
借りたお金は、原則として返すのが当然のことですが、もし万一、それが返済できなくなってしまったときは、必要以上に一人で抱え込まずに、悩まずに、もしかしたら早いかもしれないという段階で専門家に相談してください。
たかが借金、されど借金ですが、お金のために人生を終わらせるようなことはあってはいけません。
借金の返済は、「命」ではなく、法律で解決できます。
そういうルールになっていますので、法律(ルール)に則り、人生というゲームをひたすら楽しみましょう!
失敗を失敗で終わらせずに、成功するまでやり続けましょう!